レコーディングの心得~ギター編
今回は、ギターレコーディングで気を付けるべきポイントを書いていきます。
自分はギタリストなので、他の楽器に比べて書くことが多くなります。
ギターはバンドの花形楽器です。(だと思っています)
なので、ギタリストの個性を十分発揮できるレコーディングをしてギターが魅力的な音源を作って欲しいです。
なお、弦楽器なので、ベース編と被る部分も多いです。
機材選び
ギタリストは機材オタクが多いと思います。
ギターアンプは何を使うか
エフェクターは何を使うか
ギターは何を使うか
弦は?
その辺りの考え方やポイントを書いていきます。
ギターアンプ
アンプ、キャビネットを何にするかはギターの音のキャラクターを作るのに超重要です。
マイアンプ、マイキャビネットがある人はそれを使うのもいいですし、
レコーディングスタジオにはレンタルできるアンプもあります。
まず、 何のアンプが使えるか事前に確認しておきましょう。
もちろんそのアンプが楽曲に合うかも重要ですね。
リハーサルスタジオで自分でレコーディングするときは、音のヘタりがないかも重要です。
リハーサルスタジオのアンプは酷使されていることも多いので、マーシャルと一口に言っても個体差はあるので。
エフェクター
エフェクターもギタリストのこだわりなので、これを使いたい!というケースがあるでしょう。
ただ、ベーシックな音は出来るだけアンプ直が良いです。
特に歪系は、慎重に選んでください。
アンプ直に比べてエフェクターで歪ませると音のレンジが狭くなります。
ジャンルや出したい音にもよると思いますが、ハイゲイン系の音を出したい場合はやはりアンプの歪みを使うのがベストです。
メタルやハードコアではハイゲインアンプのゲインを下げ目にしてTS系(チューブスクリーマー)のオーバードライブでプッシュする方法が常套手段です。
これは個人的にはアリだと思います。
TS系でプッシュした音はアンプ直で録った音を加工してもなかなか出せるものではないです。
TS系+ハイゲインアンプで自分の音だ!という人も多いと思うので、是非レコーディングにも活かしましょう。
空間系やモジュレーションの掛け録り、後掛け
ディレイ・リバーブ、モジュレーション系はプラグインや外部のエフェクターで後からでも掛けられます。
後掛けの場合は、掛け録りに比べてより綺麗に、上品になります。
悪く言えば、あまりエグくなりにくいです。
また、調整も、し放題です。
ただし、後掛けの場合は自分の思ったように掛からない可能性もあるので、お気に入りのエフェクターがあれば掛け録りして使いましょう。
掛け録りにしてしまうと後で調整は難しいですが、良く言えば個性的に、悪く言えばチープになります。
また、ディレイ・リバーブの場合は、キャビネットから出る音を録るので、残響音の空気感までレコーディングされます。
どちらがいいかは、時間が許せば一度両方録ってみて傾向を感じてみてください。
前にレコーディングした時にフェイザーを掛けるパートがあったのですが、プラグインだとコンパクトエフェクターの雰囲気が出ずに、結局チープなギターシミュレーター用のプラグインが良かったなんてケースもありました。
あれは恐らく掛け録りした方が良かったのかもしれません。
また、ディレイ・リバーブはアンプのセンドリターンに入れるのが定石です。
ただ、インプット前に入れるのも特殊効果としてはアリです。
アンプを歪ませている場合は、残響音まで歪んでしまうので、グチャグチャになってしまいますが、そうでないと出せない音もあります。
自分のエフェクターボードには、アンプ前のリバーブとセンドリターンに入れるリバーブを二つ入れることがあります。
シューゲイザー的な轟音感を出したい時や単音トレモロピッキングのリードには重要です。
ギターは何を使うか
ギターは自分のギターを使いたいと思う人がほとんどだと思いますが、きちんと調整はしておきましょう。
弦高調整やオクターブ調整は最低限しましょうね。
また、ベーシックな音はレスポールで、ソロやクリーンはストラトで。なんてことも出来ますね。
ライブではこんなこと出来ないですが音源制作ならではの楽しさです。
弦交換
レコーディング前は弦交換しましょう。
やはり弦交換したてのギターの音は気持ちいいものです。
また、死んだ弦だとチューニングも安定しません。
経験談ですが、ピックスクラッチをレコーディングするとき、エリクサーのようなコーティング弦だと綺麗なピックスクラッチ音が録れなかったです。
アーニーボールにしたらギラギラした綺麗なピックスクラッチ音を出すことが出来ました。
普段エリクサーを使っている人でピックスクラッチ音をレコーディングしたい人は一度コーティングされていない弦を使ってみることをおすすめします。
アンプシミュレーターはどう?
やっぱりマイク録りしたアンプの音って良いです。
ただ、録り方によってクオリティが変わるので、下手にマイク録りするくらいならアンプシミュレーターもありだと思います。
AXE FXやKemperなどのハードウェア、AmplitubeやBIAS FXなどのプラグインなど選択肢は広いです。
機会があればこれらの記事も書きたいと思います。
音作り
準備が終わったら実際に音作りをしていくわけですが、出来るだけ自分の出したい音、レコーディングしたい音をアンプから出すようにします。
レコーディングをしてミックスの段階でEQを使って必要のない帯域を削ることがありますが、EQをすればするほど音は悪くなります。
可能な限り録りの段階で、ベストな音作りをすることが大事です。
録った後のEQでは、カットができますが、存在しない音はブーストできません。
アンプ側で極端なEQ設定にしないようにする方が安全かもしれません。
ギターの録り音は、マイクの選択や位置でも大きく変わります。
レコーディングスタジオの場合は、エンジニアさんと相談しながら音作りを進めていってください。
自分達で録る場合は、マイキングを試行錯誤しながら進めていくのも楽しいです。
また、ギタリストが二人いる場合は、もう片方のギタリストとコンセンサスを取りながら音作りしましょう。
どれくらい歪ませるかは後で調整できない部分だと思ってください。
ベーシックなギターを左右に置くことが多いメタルやハードコアの場合は、左右の音を合わせることも重要です。
歪み感、EQ感が合っていた方が綺麗だと思います。
他のパートでも同じですが、レコーディングの時点から完成した音源を想像しながらレコーディングしましょう。
レコーディング中
準備が終わったらいよいよ、レコーディングしていきましょう。
とその前にチューニングです。
チューニング
超基本にして超重要なチューニングです。
演奏に集中して忘れないように。
毎回するくらいの気持ちでもいいと思います。
せっかくいい演奏が出来たのにチューニングが狂っていて録り直しなんてことがないように。
白玉フレーズの時は弦を抑えた状態でチューニングすることもあります。
過去にフレーズ毎にチューニングするとかもありました。
それくらい白玉はチューニングの濁りが気になるので。
抑え方、ピッキングの仕方でも音程はズレます。
神経質になりすぎると辛いですが、ピッチがバシッと合っているギターは気持ちがいいものです。
ミュートのススメ
余弦ミュートが上手なギタリストは必要ないかもしれませんが、なかなかそうもいかないでしょう。
そんな時は、テープで演奏に必要のない弦をミュートしてしまいましょう!
あまりベタベタするものだと、弦が汚れてしまいます。
自分はこういったものを使っています。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/248430/
邪道かもしれませんが、レコーディングならではのテクニックなので紹介させてもらいました。
終わりに
ギターに関しては、まだまだ書けることがあると思いますので、思いついたら別記事や本記事を修正していきます。
ギターは多くのバンド音楽で花形なので、是非いい音でレコーディングしてもらいたいです。
また、レコーディングの予算や時間も限られていると思いますが、出来るだけそのプロセスも楽しんで欲しいです。
次の記事ではボーカルについて書いていきます。