レコーディングの心得~レコーディング準備編~
バンドとしてではなく、DTMerとして個人で音源制作している方もたくさんいらっしゃいます。
今回の記事では、私がバンドマンとしてこれまで携わった音源制作の経験を踏まえて、レコーディングするときの心得を記していきます。
正直、正解がある世界ではないですし、このやり方や考え方がすべてではないと思っています。
ただ、バンドでのレコーディングは初めてだという方や、自己流でやっている方に参考にしてもらえると嬉しいです。
今回は、レコーディング前の準備編です。
レコーディングの準備は、シチュエーションで大きく変わってきます。
バンドとしてレコーディングする、
個人で音源制作する、
レコーディングスタジオで録音する、
DAWで自分たちでレコーディングするときなど、
様々なケースが考えられますが、今回はバンドでレコーディングするときのポイントを経験を踏まえて記していきます。
バンド内でのコンセンサス
バンド内で、意見を一致させておきましょう。
例えば、何曲録るのか。どんな音質にしたいのか。リリースの仕方、曲のBPMなどなど。
思いつく限りメンバー内で話し合って確定させておきましょう。
これらのことは、当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と忘れられがちなこともあります。
レコーディングが始まると決断の連続です。
そういう時にスムーズに進めるようにできるだけ、バンド内で決められることは決めておきましょう。
特に、レコーディングスタジオに頼んでレコーディングするときは、スタジオのお金も時間も限られています。
エンジニアさんとのやりとりをスムーズにして、できるだけ音楽を良くする時間を作った方がクリエイティブです。
また、可能な限り、プリプロを行っておくことも良いでしょう。
レコーディングの練習にもなる、フレーズの確認ができるなど、いい音源作りにかなり役に立ちます。
プリプロのお手伝い程度なら自分でもできると思うので、知り合いの方、興味があれば、ご一報ください。
プロデューサー的なメンバーを決める
ここでいうプロデューサーは、意思決定を任せる人です。
出来るだけ俯瞰でバンドや楽曲を見られる人が適任です。
バンドリーダーとして、メンバーに気を配れる人や、曲作りの中心にいる人もいいですね。
そもそも自分のプレイ以外にあまり興味のないバンドマンもいます(笑)
(これはそういうメンバーが良くないということではないです。
プレイヤー志向が強いメンバーがいるのもそのバンドの強みだったりします。)
プロデューサー的な役を担えるメンバーをレコーディングが始まる前に決めておきましょう。
プロデューサー的なメンバーって何やるの?
音楽プロデューサーをwikiで調べると、以下の記載がありました。
「レコードやCD・LD などの音源制作や、コンサートや映画などの企画で音楽制作面全般を指揮する役割の職名である」
実際には、マーケティングや制作現場での指揮、交渉などを行うようですが、ここで書くのは狭い意味です。
具体的に何をするかというと、以下の通りです。
- エンジニアさんとのやりとり(連絡係)
- OKテイク、NGテイクの判断
バンド内で決めた方針に基づいて、その場その場で判断を下せる人にしましょう。
バンドメンバー全員揃って全日程レコーディングってなかなかないと思うので、ちょっとしたトラブルの時に意思決定をする人は必要です。
また、わかる範囲で決めていても、いざ録り始めて「ここはどうすればいいんだろう」というケースやトラブルに直面することは多いです。
もちろん、この役割を持っているメンバーは、自分のレコーディング日以外にも立ち合いましょう。
また、演奏をしていて、明らかにミスった場合や、演奏者がもっと良くできると思えば、録り直しすると思いますが、
このテイクはOKかNGか、演奏者本人で判断がつかないケースもあります。
例えば、いくら粘ってテイクを重ねても、これ以上は良くならないポイントがあります。
数テイク録ってみて違いが分からないようなら、適当に切り上げて次に進むことも重要です。
その方が全体を見たときに良かったりします。
演奏者はどの部分が「もう一歩」なのか自覚して、自身のプレイの改善点としてこれから練習していきましょう。
レコーディングは自分の練習場所ではありません。
また、ボーカルやドラムは肉体的な疲労も大きいので、あまり、そういう箇所箇所に入れ込みすぎない方がいいです。
こういったテイクの判断をプロデューサー的なメンバーがしてあげましょう。
また、逆にメンバーの性格的に「これでいいや」とサクサク進めてしまう人もいます。
(私は割とこのタイプです…)
そういう人には「このテイクも良かったけど、もうちょっと良い演奏ができるはず。もう一回行こう」と声かけしてあげましょう。
その時、どういうポイントがもっと良くなりそうか、良くするべきか、出来るだけ具体的に伝えてあげます。
余談ですが、自分が参加したレコーディングでは、この役周りをすることが多くて、特にOKテイクの判断が自分で難しいことがありました。
そういった場合は、もう一人、別のメンバーがいると心強いです。
自分の場合は、ギターなので、もう一人のギタリストにいてもらえると心強いです。
エンジニアさんときちんとコミュニケーションが取れている場合は、エンジニアさんに意見をもらうのもいいですね。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
レコーディングって予算も時間も使うので、できるだけスムーズにいきたいものです。
ただ、音源が出来上がっていくワクワク感は音楽活動の醍醐味ですので、是非みなさん、楽しんで音源を作ってみてください。